レインボーノッツ合同会社

SOGIE/ LGBTQ+ コラム

(8) もしもカミングアウトを受けたら

ここまでコラムを読み進めた時、LGBTQ当時者ではない人にとって、「もし、カミングアウトを受けたらどうしたらいいんだろう・・・」「どう対応したらいいのか分からず不安」という気持ちになることがあります。

※カミングアウト=カミングアウトとは、LGBTQ+の人が自分の意思で自らの性のあり方を、他者に伝えることを指しています。

もしカミングアウトを受けた時は、次の2点を押さえておくと良いでしょう。

■ カミングアウトを受けた時に押さえておきたいこと

まず一つ目、最初はびっくりするかもしれませんが、ちょっと深呼吸をして落ち着きましょう。そして、受容的な姿勢で、相手の話に耳を傾けてください。カミングアウトの負担感、カミングアウトの理由や背景はさまざまです。ただ知っておいてほしいだけの人もいます。

二つ目が、どこまで伝えていいかの確認です。いつ、誰に、どのようにカミングアウトするかは本人が決めることです。他者に伝える必要がある場合は、必ず本人に確認しましょう。性的指向や性自認は大切な個人情報である、と認識することが大切です。

■ カミングアウトはあなたを信頼している証

カミングアウトを受けた後、例えば、「大切なことを言ってくれてありがとう」「何かできることはありますか」「いつでも相談してね」と言った声かけをおすすめしていますが、あくまでこちらは例となります。当事者の思いに対して、自分だったらどんな言葉をかけるだろうかと、ぜひ一度考えてみてください。

■ 周りに相談するのは「アウティング」になることも

カミングアウトを受けた側としては、自分だけで抱えることが辛い気持ちになる時があるかもしれません。そんな時、周りに相談する行為がアウティングになってしまうこともあります。誰かに話を聞いてもらいたい時は、社内の相談窓口の他、守秘義務のある自治体や弁護士会が実施している「LGBT無料相談」などを利用すると良いでしょう。くれぐれもアウティングにつながらないよう、個人情報の扱いに気をつけましょう。

五十嵐 ゆり

1973年東京都生まれ。2012年、LGBTQ支援団体Rainbow Soupを発足。2015年3月にNPO法人化し、レズビアンであることをオープンにする。2015年7月、アメリカ国務省主催のLGBTプログラム研修生に選抜され、全米各地を訪問。2017年8月、オランダ・アムステルダム市より招聘を受け「international guests Amsterdam Pride 2017」プログラムに参加。
2018年、レインボーノッツ合同会社を設立。当事者としての経験や最新情報などをベースに、企業・自治体のSOGI・LGBTQ施策支援・社外相談窓口対応を展開。2019年〜2023年6月まで一社LGBT法連合会理事を務める。2023年4月より、NPO法人プライドハウス東京 共同代表に就任。

  • 一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所 認定トレーナー
  • 筑紫女学園大学非常勤講師