SOGIE/ LGBTQ+ コラム

(5) SOGIハラスメントとは ー職場で起きやすい例と防止策

改正パワハラ防止法において、SOGIハラスメント(SOGIハラ)とアウティングがパワーハラスメントに含まれることは、(4) 知っていますか?「改正パワハラ防止法」の記事でご紹介しました。
こちらの記事では、SOGIハラスメントについて、もう少し詳しく解説していきます。

目次
■SOGIハラスメントとは

■なぜ企業研修が必要なのか
■職場で起きる具体例
■企業が行うべき対策
■SOGIハラスメント研修の内容


■SOGIハラスメントとは

SOGIハラスメント(SOGIハラ)とは、性的指向と性自認に関する、笑い、からかい、いじめ、暴力などを指しています。SOGIハラスメント(SOGIハラ)は、特定の属性(レズビアン、ゲイなど)の人だけに関わる問題ではありません。「全ての人が持っている属性」に対する差別的な言動や、望まないカミングアウトの強制(アウティング)などを指します。改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)においても、企業が防止すべき義務として明確に位置づけられています。厚生労働省の指針でも、性的指向・性自認に関する侮辱的な言動は「精神的な攻撃」に該当すると明確に示されています。

■「LGBTQ+なんて、この職場にはいないよね」という、存在の否定につながる発言。
■「あの人ってオネエっぽい。どっちか分からなくて気持ち悪い」という、性自認や見た目をからかうような発言。
■「お前はいつまでも独身だけど、まさかホモじゃないよね」という、異性愛を前提とする言動。これは、相手がLGBTQ+の人かどうかに関わらず、起こり得るケースです。

または、こんな事例もあります。「男か女かわからないようなやつは営業に出さないようにしよう」 と仕事から排除することも、SOGIハラスメントに該当します。

■ なぜ企業研修が必要なのか。

「うちの会社には当事者がいないから」という声を聞くことがありますが、それは「言える環境がない」だけかもしれません。研修が必要な理由は主に3点です。

  • 法的リスクの回避: パワハラ防止法に基づき、対策を怠った企業は社会的信用を失うだけでなく、損害賠償のリスクを負います。
  • 人材の定着と確保: 心理的安全性が低い職場では、優秀な人材が流出します。また、Z世代を中心とする若手層は企業のD&Iへの姿勢を鋭く見ています。
  • アウティングの防止: 悪意のない「無知」が、当事者を精神的に追い詰める重大な事故(アウティング)を引き起こすケースが多く、正しい知識のインストールが不可欠です。

■ 職場で起きる具体例

日常の中に潜む、以下のような言動がSOGIハラに該当する可能性があります。

  • 差別的な言動: 「ホモ」「レズ」といった蔑称の使用や、「男のくせに」「女らしくしろ」といった性別役割分業の押し付け。
  • アウティング: 本人の許可なく、第三者にその人の性的指向や性自認を暴露すること。
  • 不当な配置・待遇: 性的マイノリティであることを理由に、昇進を阻んだり、異動を強制したりすること。
  • 過度な干渉: 「なぜ結婚しないのか」「恋人はいないのか」としつこく問い詰めること。

■ 企業が行うべき対策

単なる「周知」で終わらせず、実効性のある仕組みづくりが求められます。

  • トップのメッセージ発信: 経営層が「SOGIハラを許さない」という姿勢を明確に示すこと。
  • 就業規則への明記: 服務規律やハラスメント規定に、SOGIハラを禁止事項として追加すること。
  • 相談窓口の整備: 相談担当者が適切な知識を持ち、プライバシーを厳守できる体制を整えること。
  • 環境整備: 通称名の使用許可、多目的トイレの設置、福利厚生(パートナーシップ制度等)の見直し。

■ SOGIハラスメント研修の内容

レインボーノッツでは、受講者が「正解」を暗記するのではなく、「背景」を理解し行動に移せるプログラムを提供しています。

  • 基礎知識: SOGI、LGBTQ+の正しい用語理解と、最新の統計データ。
  • 当事者の声: 職場での困りごとや、実際にあった事例の紹介。
  • ケーススタディ: 「もし部下からカミングアウトされたら?」「会議中に差別的な冗談が出たら?」といった場面別ケーススタディ。
  • アライ(Ally)の育成: 心理的安全性を高めるために、周囲ができる具体的なサポート。


研修を通じて適切な知識を得ていると、先ほどのSOGIハラスメントに該当するケースについて、あれ?おかしいな?とすぐにお気づきになるはずです。

性の多様性、SOGI・LGBTQ+に関する知識を持つことで、SOGIハラスメント的な言動は防ぐことができるのです。

知識を学ぶ上では、ぜひ研修やセミナー実施をご検討ください。詳しくはこちら。

■ SOGIハラスメントについて、動画で学んでみましょう。

社内周知に課題を抱えておられるケースも耳にしていますが、こちらの動画「SOGIハラって何?」(リンク先はYoutubeです)、研修ツールの一つとしておすすめします。

イラストを使ったPOPな雰囲気で見やすいですし、内容に関してもしっかりまとめられていますので、活用なさってみてはいかがでしょうか。※ 動画提供元は二次使用も想定しているようです。詳細はこちらをご参照ください。 

レインボーノッツ合同会社では、研修や教材に関するご相談を承っております。
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職場の風土や課題に合わせたカスタマイズも承っております。
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(2026.4.13更新)

五十嵐 ゆり

1973年東京都生まれ。2012年、LGBTQ支援団体Rainbow Soupを発足。2015年3月にNPO法人化し、レズビアンであることをオープンにする。2015年7月、アメリカ国務省主催のLGBTプログラム研修生に選抜され、全米各地を訪問。2017年8月、オランダ・アムステルダム市より招聘を受け「international guests Amsterdam Pride 2017」プログラムに参加。
2018年、レインボーノッツ合同会社を設立。当事者としての経験や最新情報などをベースに、企業・自治体のSOGI・LGBTQ施策支援・社外相談窓口対応を展開。2019年〜2023年6月まで一社LGBT法連合会理事を務める。2023年4月より、NPO法人プライドハウス東京 共同代表に就任。

  • 一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所 認定トレーナー
  • 筑紫女学園大学非常勤講師